レンダリングシステム:油脂製品とは
動物性油脂と植物性油脂

さらに欧米人が脂肪、特に動物性脂肪をとりすぎて心筋梗塞が増えたということから、成人病予防には、脂肪の摂取はなるべく控えたほうがよいともされてきました。しかし、欧米の事情をそのまま日本に持ち込んで、動物性脂肪イコール成人病の元凶とするのもいかがなものでしょうか。
20世紀に入り、疾病構造もだんだん変わってきて、欧米先進国では肉を食べることによってまず感染症が減り寿命が延びました。日本でも、戦後ある程度肉を食べられる余裕が出てきてから、感染症が減り、第2段階として脳卒中が減ってきました。
これから見ても、寿命というものは、動物性脂肪を一定量とっていないと延びないものであるという説を唱える学者もいます。豚肉を食べる沖縄の人は長寿であるという説がありますが、沖縄のお年寄は意外と豚肉を食べていないという調査結果も出ていますので、肉食イコール長寿という考えは成り立たないでしょうが、とりあえずこの段階にいるのが現在の日本で、もっと先に行き過ぎているのが欧米でしょう。
年配者はともかく、若者には動物性脂肪が必要で、もし植物性だけだと日本人の体格は平均身長160cm以下の貧弱なものに逆戻りしてしまうでしょう。植物油脂より栄養価が高く、また独特の風味を持つという特長のある動物油脂は、体力づくりの途上にある新陳代謝の活発な若者には最適なのです。
確かに動物油脂は植物油脂と異なり、血液中のコレステロールを増加させる作用があり、動脈硬化を促進するとされています。 動物性脂肪からできるコレステロールにも善玉と悪玉があるので、血液中で一定の濃度を保つことが大切で、むしろ低くなると脳卒中などを引き起こす原因にもなりかねません。
油や脂肪が体に良いか悪いかは、どんな食べ方をするのか、分量や継続性、他の食べ物とどう組み合わせるのか、食べる人の年齢、体質、体調、文化、の関係などいろいろな要素がからんで、一概に決め付けることはできません。 健康な体と生活を保つために、厚労省では総エネルギーの20~25%のエネルギーを脂質から摂るようにという指針が示されています。多すぎれば生活習慣病の心配があり、少なすぎても体に変調をきたすでしょう。
まあ、何事も採りすぎ、かたよりはダメ、バランスのとれた食事をとりましょうということではないでしょうか。